vol.12 YSP岡山南の仲間たちと

陽光にあふれる瀬戸内を楽しみながらのタンデムラン


高速道路の2人乗りが解禁されて、早2か月。
せっかく高速タンデムを初体験するなら、
どぉ〜んと海を渡ってしまいましょう!
「晴れの国」岡山から瀬戸大橋を使い、
一路香川をめざします。
 岡山のキャッチフレーズをご存じですか?「晴れの国」っていうそうです。ライダー魂がくすぐられるでしょう? 何と言ってもバイクは、青空の下を走るのが気持ちいいですからね。
 岡山県では、平成元年からこのフレーズを使い始めているそうですが、実際、昭和46年から平成12年の平年値では、降水量1ミリ未満の日が年間276日もあるんだとか。
 そして今回YSP岡山南にお邪魔した日は、見事にその276日のうちの1日に命中! この企画としては珍しいぐらいの好天に恵まれたのでした。「晴れの国おかやま」バンザーイ!
 岡山は、広島出身の僕にとっては、半分地元のようなものです。集まってくれた仲間たちが、走り好きのベテラン揃いだったこともあって、「あの峠はずいぶん通ったなぁ…」「そういえばあの有料道路は無料になって…」「あの道、ずいぶん走りましたよ〜」なんて、ワインディングロード昔話で大いに盛り上がりました。
 今回は、なんと参加してくれた仲間たち全員がタンデム! ご夫婦2組と、会社の上司&部下という組み合わせです。せっかく高速2人乗りも解禁されたことなので、ちょっと豪勢に瀬戸大橋を渡り、四国の地を踏んでみることにしました。もっとも、僕は道中ほとんどソロライド。周りがタンデムだと、ちょっと背中がさみしかったりして。
 人生の先輩にこんな言い方は失礼かもしれませんが、仲むつまじい様子が微笑ましかったのは、竹並さんご夫婦。ドラッグスターのタンデムシートに腰かける奥さんからは、運転するご主人を信頼しているんだな〜、という雰囲気にあふれていました。

難波 ふだんからよく2人乗りされているんですか?
竹並・夫 そうですねえ、ちょこちょこ買い物に行ったりはしてますよ。
竹並・妻 あんまり荷物にならないような買い物の時だけ、ね(笑)。
難波 初めての高速タンデムは、いかがでしたか?
竹並・妻 最高! 今日は風が強くて、それが少しだけ怖かったんですけど、バイクで後ろの席に座っていると、景色の見え方がクルマとは全然違うんですね。景色との一体感があって、すごく楽しめました。
竹並・夫 ウチのは景色を眺めたり、電車を見るのが好きでね。だからちょこちょこ止まりたがるんだけど、小回りが利くバイクがピッタリなんだよね。
難波 そういえば奥さん、瀬戸大橋を眺めている時も、橋そのものより、道路の下を走っている電車をチェックしてましたね。乗り物好きなんですね。
竹並・妻 バイクも爽快で大好き。自分では運転しないですけどね(笑)。
難波 これからも、お2人でバイクで出かけるつもりですか?
竹並・夫 …まあ、1人で走っとっても、話す相手がおらんからね。
竹並・妻 運転はこの人任せですけど、それでよければ、私はぜひ!

竹並さんご夫婦が、タンデムランの魅力を全部語ってくれたような気がしますね! さすがにライディングと人生のベテラン、2人の息もピッタリ合っていて、うらやましい限りです。

 



 瀬戸大橋では、瀬戸内の雄大な眺めを楽しみながら、のんびりと進みます。そう、タンデムではパッセンジャーに自然に気を遣うので、ペースはいつもよりゆっくり。その分、景色を楽しんだり、会話を楽しんだりと、ソロライドとは違う魅力にあふれていました。
 ライディングの面白さだけを追い求めるとソロの方が身軽ですが、バイクを使った遊び方のひとつとして、タンデムもいいものだな、と思いました。
 さて、斎藤さんご夫婦は、2人ともライダー。やっぱりこんな感想が飛び出しました。


斎藤・妻 楽しいし、後ろに乗ってるだけだからラクなんだけど、することなくてヒマ。眠くなりました。
難波 ははは、ふだん自分で運転してるだけに、余計そう感じるのかもしれませんね〜。眠くなるってことは、それだけご主人のライディングがスムーズだってことですよ。
斎藤・妻 いえ、それが結構怖かったんです(笑)。難波さんの後席を体験させてもらった時は、怖くなかったのになあ。
斎藤・夫 それは僕も同じ。全然怖くなかった。加速、旋回、減速とすべてがすごくスムーズで、ギクシャクしないんですよね。すごく安心でした。旋回中も、難波さんはほとんど何もしていないように感じましたよ。
難波 はっはっは、皆さんより少しは多くバイクに乗ってますからね。でもこのスムーズさっていうのは、すごく大事なことなんですよ。
 いつも例に出しますが、MotoGPのバレンティーノ・ロッシ選手の走りをよく見ると、そんなに激しい動きはしていないんですよ。激しいレースの最中でも、ラフな操作は一切せず、すべての動作をスムーズにつなげるようにコントロールしているんです。

斎藤・夫 難波さんの後ろに乗せてもらった時は、どの段階からスロットルを開けているのか、よく分からなかったほどでした。それなのに速い!
難波 すべてはGなんですよ。加速、減速、旋回と、すべてG。それをいかに感じ取って、意図的に、滑らかにつなげられるかってところですかね。
斎藤・夫 具体的にはどうすれば…?
難波 それは企業秘密(笑)。でも実際、たくさん経験して体得するものだと思います。スムーズな操作とGを常に意識して、たくさん乗ることかな。こればっかりはテクニックでどうにかなるものじゃないですから、焦らずバイクと付き合っていきましょう!

 
こまめに休息をはさみながら進む、タンデムの旅。僕のバイクライフは走り一辺倒で、「バイクは孤独な乗り物なんだ!」なんて思っていましたが、目的地でゆっくり過ごしたり、走りながらの会話を楽しんだりと、余裕のあるタンデムツーリングもいいものだな、と思いました。



 最後の1組、井上二平さんと西省吾さんは、ライダーが会社の部下、パッセンジャーが上司という、悪夢のような組み合わせ。激しいツッコミに、僕などが入り込む余地無し…。

井上 何しろ後ろが上司ですからね〜。もうびくびくでしたよ。
西 何言うてんねん! 人のこと、お荷物呼ばわりしておいて(笑)。
難波 まぁまぁ、高速道路なんかでは、荷物が載ってた方が安定するって面もありますから(笑)。
西 難波さんの後ろならまた乗りたいけど、オマエの後ろはもうイヤやで。
井上 ひどいな〜。でも、実際乗り手が変わると、バイクって別物になりますね! ホント、違うもんだな〜。
西 オマエ、ホンマは難波さんとええ勝負できると思ってたんやろ?
井上 そんなことないですよ! でも、ホントに違うもんですね…。
西 何、ショック受けてんねん。相手は難波さんやで? かなうわけないっちゅうねん!


 2人の漫才は、道中この調子でずっと続くのでした。これもまた、タンデムならではの魅力…かな? 会社での関係に悪影響を及ぼしませんように。
 

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ソロライドもうまくなる
スムーズタンデムラン

後席を気遣う走りは、ソロでも役に立つ!
 減速、旋回、加速、シフトアップ、シフトダウン…。これらの動作のたびに、後席のパッセンジャーの体には、ライダーが思っている以上に強い力が加わっています。だからこそタンデムランで心がけたいのは、スムーズな走り。すべての動作を滑らかにつなげれば、パッセンジャーもぐっとラクになります。
 しかも、スムーズライディングをマスターすれば、ソロでも今まで以上に滑らかに、安全に走れるようになるはず。いつでも「後ろに大事な人が乗っている」という意識を持っているといいかもしれませんね。
スムーズな走りの真価が問われるワインディング。減速時にはリアブレーキを少し先にかけてあげることで、無用なピッチングを抑えられる。 初めての高速タンデムだったが、ストップ&ゴーがない分ラク。必ずパッセンジャーの片手をお腹に回してもらい、様子が分かるようにした。 今回は、ワイズギアの「道楽フォン」を使用。骨伝導を利用しているので予想以上に聞き取りやすく、走りながらでも十分に会話が楽しめた。


明るく元気な挨拶が響きわたる

 ピカピカに輝くバイクがずらりと並ぶ光景は、バイク好きにとってはたまりません。YSP岡山南では、特にバイク磨きにこだわっているそう。新車も中古車もパッと見ただけでは区別がつかないぐらい、とてもキレイに手入れされているのが印象的でした。でも、森石知治社長は、なんだかアッサリした様子。

難波 これだけ磨きをかけるなんて、手間も並大抵ではないですよね?
森石 バイクは高額商品ですからね。雨ざらしになってたり、ホコリまみれになっているよりは、お客さまにも気持ちよく見ていただけるでしょう? クルマのディーラーだってどこもキレイにしてるんですから、バイクだってキレイで当たり前だと思うんです。
難波 毎朝、朝礼をなさっていると聞きましたが。
森石 我々の経営理念を始め、「いらっしゃいませ」などのあいさつをスタッフ全員で読み上げるんです。ガラス張りの店内で読み上げるので、最初はちょっと恥ずかしかったんですけどね(笑)。でも、少しでも意識が変われば、と励行してるんです。
難波 バイクショップのイメージを変えるために、努力なさっているんですね。ところで森石社長は、レースもなさっていたとか? 僕も同じ時期に岡山国際サーキットや中山サーキットを走ってましたから、もしかしてご一緒したことがあるかもしれませんね。
森石 いやいや、レベルが違いすぎますよ(笑)。でも、走ることは今も大好きで、ワインディング三昧ツーリングや、林道やぶ漕ぎツーリングなんてのを行ったりしてるんですよ。
難波 ワインディング三昧はいいけど、やぶ漕ぎはキツそう〜(笑)。


取材協力ショップ
YSP岡山南

岡山県岡山市岡町13-22 TEL:086-225-0769
営業時間/9:30〜19:30 定休日/毎週月曜日

http://www.ysp-om.com/
「お客さまに気持ちよく過ごしていただけるよう、挨拶の励行や店舗の清掃を徹底しています。また、ヤマハ専門店として、ヤマハ車の在庫数は近隣では負けません。修理や整備も、ご予算に合わせて取り組んでいます。ぜひ一度足をお運びください」(森石社長)

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