vol.3 YSP札幌西の仲間たちと

長いストレートと高速ワインディング
北海道はまさにビッグバイクの聖地だ



 夏の北海道! 梅雨がない北の大地! 清々しい空気! そして何よりもおいしい食べ物を満喫! のはずでしたが、YSP札幌西にお邪魔した日は蒸し暑く、しまいに道中は雨まで…。「こんなに暑いのは数年ぶりですよ」なんて言われては、「もしかしたら、それって僕が本州からヘンな気圧配置を連れてきたせいってコト?」と、ちょっと責任を感じてしまいました。
 でも、十勝サーキットしか走ったことがない僕にとっては、初めて体験する北海道ツーリング。今回巡るのは札幌近郊だけとは言え、すごく楽しみにしていたので、今回のメンバーの中でこの天候に一番しょんぼりしていたのは、間違いなく僕でしょう…。
 でもまあ、天候がどうあれ、北海道の魅力には変わりがありません。気を取り直して、今日もバイクで出かけましょう! 今回は、熱い走りの一ライダーとして、YSP札幌西の亀井慶一社長も参加してくださいました 。

 難波 皆さんすごくスムーズなライディングなんですね! それにペースが速い。さすが、広大な北の大地に育まれているだけのことはあります。
菅原 僕は難波さんの走りを後ろから見てたんですが、ホントにキレイに走るんですね! 着いていきたいのに、スルスルと先に行かれてしまう感じでした。
難波 できるだけ先のことを予測しながら、あらゆる可能性に備えた走りをしてるんですよ。判断の遅れが、走りをぎくしゃくさせてしまうんです。
 でも、菅原さんも上手なライン取りでしたよ。ただ、周りのみんなのペースに合わせようとして、いつも緊張してるように見えました。
菅原 みんなペースが速いから、それにつられて、つい倒し込みすぎちゃうみたいなんです。
難波 だから、コーナリングの途中でバイクを起こそうとしてるんですね。マスツーリングでは、「遅れないようにしなくちゃ」とあわててしまう人も多いようですが、マイペースが一番! 周りを意識しすぎないで、自分のペースでコーナーに入り、自分のバンク角で走るのが安全ですよ。
 

 今回のメンバーは、ほとんどの方が上から下まで革製品でキメていて、安全面から見ても装備はバッチリ。美味しいものばかり食べているせいか、北海道のライダーは一味違います!?
 きちんとした装備は、YSP札幌西・亀井社長のアドバイスによるものだとか。「お客さまには安全にバイクを楽しんでほしい」というポリシーが、見事に皆さんに伝わっています。
 これだけ装備がしっかりしていれば、走りにも集中できるというものです。そんな中、走りっぷりはいいのですが、「突っ込み重視」の千葉さんの走りが気になりました。


千葉 まず、何に気をつけたらいいんでしょうか?
難波 千葉さんの場合は、コーナーに突っ込もうと思わないことかな。走りを見ていると、コーナーへの進入が鋭角的すぎる気がします。
 コーナーとコーナーを円でつなぐようなイメージで、先を読みながらアプローチしていくといいと思いますよ。
千葉 自分では、突っ込みで攻めてるつもりはあまりないんですけどね〜。
難波 ブレーキングポイントを意識しすぎてるんじゃないかな。特に千葉さんが乗るFJR1300のようにウェイトがあるバイクほど、進入速度を抑え目にして、早めに向きを変えてから、豪快な加速を楽しんだ方が安全なんですよ。
 楽しみ方のポイントを、ブレーキングから加速に変えるだけで、だいぶ楽に走れるようになると思います。突っ込み重視の走りでは、難しいブレーキングに頼ることになる。そうすると、例えば、そうだなぁ、北海道だけに、野生動物が突然飛び出してきた時にも対処しにくくなるんです。
千葉 なるほど、それは気を付けなくては(笑)。
 
中型に乗っていた頃から、亀井社長がマンツーマンで直々に仕込んだだけあり、見事な走りだった上野さん。皆さん亀井塾の塾生として、走りを磨いていました。

 若くてピチピチとイキが良く(おっと、男性でした)、「次はぜひサーキットでお会いしましょう」という走りの上野さんや、記念撮影ではいつも一番目立つポジションをキープするお茶目な性格ながら走りはなかなかステディな三神さん、最初のうちはガチガチに緊張気味でしたが、目線を遠くにおくことで徐々に走りが安定してきた染谷さんなど、個性たっぷりの面々。
 ひとりひとりの走りをチェックし、的確なアドバイスをしている亀井社長の姿も印象的でした。上野さんをはじめ、一部の方たちが「塾長」と呼んで敬っているとのウワサも!?
 そんな中、物静かなたたずまいながら、強烈な存在感を放っていたのが、52歳の武田さんでした。


難波 本当にスムーズな走りで、お上手ですよね! 走りを見ているだけではちっともお年を感じません。こんなことを言うのは本当に失礼なんですが、ヘルメットを脱いだ時に初めて年齢が分かって、「えーっ」と驚かされてしまいます。
武田 恐れ入ります(笑)。
難波 これは僕もお手本にしたいぐらいなんですが、座るポジションがまたカッコよく見えるいい位置なんですよね! 思わず「そうなんです、そうなんですよ!」と言いたくなるようなポジションなんですよ。
武田 亀井社長にずいぶん仕込まれましたから(笑)。おかげさまで、今では'04YZF-R1も持ってるんですよ。「今乗らなかったら、もう一生乗れない」と思い切りましてね。
難波 それはスゴイ! いかがですか、R1は? XJR1300とはずいぶんフィーリングが違うと思いますが。
武田 素晴らしい乗り物ですね! 走るたびに「もっとこうすればいいのかな」と勉強しています。


 ライダーとしても大ベテランであり、人生の先輩でもある武田さんでも、「バイクに乗るたびに、学ぶことばかりです」とおっしゃる。その謙虚で真摯な姿勢に、若輩者の僕など、思わず頭が下がるばかりなのでした。

 
年齢をまったく感じさせない武田さん。名騎手が美しく馬を操るような滑らかなライディングには、僕も多くを学ばせていただきました。とにかく走り込むことで作り上げられた円熟のスタイル、うーん、お見事です!

「せっかくバイクを買っても、1人ではおっくうになることもある。だから仲間の存在が大切なんです」と亀井社長。バイクのシーズンオフが長い北海道では、乗れる時に集中して有効に楽しむのがセオリーだ。
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ラクに楽しむ タンデム走行

後ろに乗ったらキミは荷物だ!

 高速道路のタンデム解禁はもう少し先ですが、北海道のように一般道でも十分にタンデムランが楽しめるステージも多くあります。そこで今回はタンデムのキモをご紹介。
 まず気に留めておいてほしいのが、パッセンジャーの重量。ライダー+バイクで300kg弱しかないところへ、60kgほどの重量物が乗るわけですから、割合からしても運動性能への影響はとても大きいのです。
 僕はパッセンジャーに「荷物になってね」とよく言います。それだけの重量物に後ろで動かれては、思うようなライディングができません。バイク経験者ほど、タンデムシートで体重移動をする傾向にあるのですが、とにかくじっとしているのが一番! 後ろに乗ったら荷物になる。パッセンジャーによ〜く言い聞かせましょう。
 走り方としては、急ブレーキ、急ハンドル、急加速など、急のつく動作はしない。これがタンデムランの大原則です。コップの水もこぼさないような滑らかな走りなら、ライダーもパッセンジャーも快適に楽しめるはずです。

これがタンデムフォームの理想型
ライダーが楽なポジションをキープできることが基本。パッセンジャーはライダーの動きを妨げない位置に着座する。グラブバーがあれば片手はバーに、片手はライダーのお腹から腰の辺りに回す。
重量増加に合わせ、リヤサスのイニシャルを調整。僕は迷わず全締めだが、好みに応じて締め込めばOKだ。
慣れない人だとステップに全体重をかけて乗り込んでくる。転倒防止のためサイドスタンドをかけるのも手。

ライダーとパッセンジャーは付きすぎず離れすぎずの関係で
× グラブバーがなければ両手でライダーにつかまることになるが、ここまでしがみ付いてはライダーが動けなくなる。
  × 両手でグラブバーにつかまると、パッセンジャーの様子が分からない。ライダーに回す手はセンサーの役目も果たすのだ。


気の合う仲間同士で走りを磨く

 走りのレベルが非常に高かったYSP札幌西の仲間たち。フィールドに恵まれていることはもちろん、それ以上に、亀井社長を中心に仲間同士でライディングを切磋琢磨しあっている様子。それがいい効果を発揮しているようでした。
難波 皆さん走りもスムーズで装備も万全。教育が行き届いてますね(笑)。
亀井 とんでもない。皆さんオトナなライダーばかりですから、私などはちょっとアドバイスをするだけですよ。
難波 きっと、その一言が効いてるんでしょうね。仲間たちも和気あいあいとしていて、僕自身、すごく気持ちいい一日が過ごせました。
亀井 バイクは本来楽しい趣味。できるだけ安全に、しかもせっかくバイクに乗るんですから、独特のスピード感を満喫してもらいたいと思っています。
難波 そういえば今回は北海道の味覚を少ししか味わえなかったなぁ。
亀井 今度、サロマ湖の方に往復約800キロのツーリングに行くんですよ。ご一緒しませんか?
難波 は、800キロ!? それはちょっと…、しびれる距離ですね。
亀井 カニがおいしいんですけどね。
難波 ぜ、ぜひ参加させてください!


取材協力ショップ
YSP札幌西

北海道札幌市西区宮の沢2条1丁目10の21 TEL:011-662-6526
営業時間/10:00〜19:00 定休日/毎週水曜日、祝日

http://www.ysp-west.com/
ウチに集まるお客さんは、皆さん元気いっぱい! ツーリング、飲み会、ボーリングとお客さん同士で企画して楽しんでいるんですよ。店としては、せっかくのビッグバイクですから、なるべくいい調子で心ゆくまで楽しんでいただきたい。だからアフターサービスには特に力を入れています。

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