vol.8 YSP刈谷の仲間たちと

奥浜名を駆け抜けて、めざすは「知らなかった遊びの世界」


ネイキッドもあればアメリカンもある、
スーパースポーツもあればスクーターもある―。
そう、それだけバイクの遊び方は無限大。
今日は「オンもオフも」で欲張っちゃいましょう!
 皆さんは、どんなところにバイクの面白さを感じていますか? ツーリング、レース、機械いじり、仲間たちとの触れ合いなどなど、きっと答えは人それぞれだと思います。
 でも、バイクでしか味わうことができない独特の操縦感覚は、ライダー全員が共通して感じている魅力のひとつではないでしょうか?
 少なくとも僕にとっては、バイクを意のままにコントロールすることが、最大の喜び。ハッキリ言ってどんなバイクでもいいんです。「うまく操れたな〜」「思い通り走らせられたな〜」と思えれば、それでもう僕はシアワセ。気持ち良〜くキーをオフにして、気分良〜く過ごせるってものです。
 さてさて、今回お邪魔したYSP刈谷さんは、石川博樹店長が元全日本モトクロスライダーというお店。ビッグバイクに乗るお客さんの多くが、セカンドバイクとしてオフ車も所有しているそうです。
 やっぱりバイクコントロールの基礎を学ぶなら、安全な低速域でさまざまな挙動を感じることができる、オフロードが一番! ということで、YSP刈谷ではオフロードイベントも盛んに行っているのだとか。
 早朝、何となく雲行きに不安を感じながらも、お店を出発。新しく開通したばかりの伊勢湾岸道路を駆け抜け、三ヶ日インターまでハイウェイクルージング。まずはオレンジロードでワインディングを楽しみます。ひとしきり走っての休憩時間には、YZF-R1に乗る佐田 保さんから、僕の過去のレースに関するスルドイ質問が飛び出しました。

佐田 98年のマレーシアGPは、どうしちゃったんですか!?
難波 おおっと、こりゃまた厳しい質問ですね! この年は、J-M・バイルの代役で世界グランプリの500ccクラスに5戦エントリーしたんですけど、その第2戦マレーシアGPで、まったく、ねぇ。
佐田 開幕戦の日本GPは、予選2位で決勝5位でしたもんね。
難波 よくご存じで
()。そう、鈴鹿は良かったんですよ。マレーシアも、予選4番手のフロントロー。決勝スタートも決まって、オープニングラップはトップですよ! ところが2周目、いきなり転倒ですからね〜。
佐田 原因は分かったんですか?
難波 これが世界の七不思議(笑)。今も分からないんです。最初は後ろから来ていたドゥーハンが接触したのかと思ったんですよ。ホントにいきなりスピン状態になりましたから。でも、実際にはまったく触ってない。
 どうやら125ccクラスのライダーが同じ場所でコブラをはねたらしくて、そのタタリじゃないかと。
佐田 こ、怖いですね! でも、もしタタリがなかったら……。
難波 勝てたと思いますね、あのレースは! YZR500の仕上がりもバッチリでしたから。皆さんも動物のタタリには気を付けてくださいね!

 
時折青空が覗いたものの、寒い1日に。でも、焚き火を囲み、鍋で煮込んだ汁物で暖を取れば、バイク談義も盛り上がります。

 イヤな思い出だけは、やけに鮮やかに覚えているもの。世界GP優勝を逃した苦い思いが蘇ったせいか、ホラ、今回の目的地「てんてんゴーしぶ川」に到着したとたん、雲行きが怪しくなってきました。そう、今回のメインイベントは、TT-R125を使ってトライアル場で遊ぶことなのです!
 もともと空き地でのトライアルごっこが僕のバイク遊びの原点。マレーシアGPのイヤな思い出は放り出して、さあてみんなで思いっきり遊んじゃいましょうか!?
 と言いつつ、実は僕が楽しみにしていたのは、仲間たちが転んだりスタックしたり上れなくなったりして困り果てる姿! 内心「イッヒッヒ」とほくそ笑んでいたのですが、皆さんオフロード経験も豊富な方たちばかりということもあって、そんなシーンにはほとんど出くわしませんでした。なんだかガッカリだなぁ……。
 ちょっとだけ困っていたのは、高之瀬正章さん。初めてのトライアル体験に、少し遠慮気味だったようです。簡単なステアケース越えを前に、ちょっと戸惑っていました。


難波 思い切ってフロントを上げちゃいましょうか!
高之瀬 いやいや、そんな簡単にはいきませんよ……。
難波 大丈夫大丈夫、僕たちがサポートしますから! せっかくの機会ですから、ふだんビッグバイクではなかなかできないことに、どんどんトライしましょうよ。
 滑りやすいオフロードでは、しっかりとトラクションを感じることが大事です。フロントを上げて、リアにトラクションをかけて、ひょいっと乗り越える。たったこれだけですよ。どうですか? 簡単でしょ?
高之瀬 うーん、でも難しそうだな。私には無理ですよ。
難波 無理かどうかはやってみてから決めましょう(笑)。さあ、思い切って、せぇの!
高之瀬 うおっとっとっと!
難波 まだ思い切りが足りませんよ。もう1回チャレンジ!
高之瀬 よいしょっと!
難波 ホラ、越えられた! 皆さんの拍手、聞こえますか?(笑)。こうして自信を持ってコントロールしてあげた方が、バイクも素直に言うことを聞いてくれるんですよ。ライダーの気持ちに迷いがあると、バイクの挙動も迷ってしまいますからね。

 
メインイベント会場となったのは、てんてんゴーしぶ川トライアルコース(静岡県引佐郡引佐町渋川237-1/電話053-545-0452)。普段は経験できないセクションにトライして、バイクの挙動とそれをコントロールする術を身に付けることができます。ま、難しい話はさておき、とにかく楽しいんですけどね!

 これはビッグバイクでも同じこと。特に高速コーナーへの進入時などで迷っていると、その間にもバイクは思いがけない距離を進んでいますから、ますますとっちらかることになります。
 もっとも、公道ではいつ、何があるか分かりませんから、交通の状況によっては迷いが生じやすいことも確か。だからこそ、いつでも取り返しがつくような安全なマージンを持ってライディングしてもらいたいものです。
 さて、そろそろお開きの時間が近付いてきました。朝枝康成さんは、軽装ながらなかなかの乗りこなしぶり。ベテランの早川淳一さんも、いぶし銀のコントロールを見せていました。

難波 お2人とも上手なので、ビックリというかガッカリというか(笑)。
朝枝 結婚して以来、5年ほどオフロードはまったく走ってなかったんです。久々に遊んでみて、デリケートな操作の大切さを改めて痛感しました。
早川 自分がいかに自己流で走っていたかがよく分かりましたよ。ライディングって、まだまだ奥が深いですね!
難波 そう、そこがバイクの魅力ですよね。僕なんか毎日乗っててもいまだに飽きませんから!

 てんてんゴーを後にする頃には、残念ながら大粒の雨……。これはもう、コブラのタタリとしか思えません!

 
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オフロードで知る

ライン取りの重要性

インにつくのを我慢し立ち上がりを重視
 コーナーが近付くと、つい早めにインにつきたくなるもの。でもそれではなかなか向きが変わらず、アクセルが開けられません。結果的に、加速と向き変えを同時に行うことになります。
 でも、バイクの向きが一番変わりやすいのは、もっとも速度が落ちた時。つまりブレーキングが終わった瞬間です。そこでできるだけコンパクトに向きを変え、なるべく直線的に立ち上がる。つまり、旋回ではなく立ち上がりを重視するんです。
 これ実は、パワーのあるビッグバイクほど、有効なライン取りなんですよ。公道では常にマージンをたっぷり取る前提で、ちょっと立ち上がりを意識したライン取りを心がけてみてください。ビッグバイクの豪快なパワーをもっと楽しめるはずです。

 
赤がオススメのライン。クリッピングを奥に取り、旋回状態を短くすれば、早く、長くアクセルを開けられる。バイクが起きている方が、アクセルを開けるのも怖くない。  

オフ車だからできる極端な例だが、後輪の向きの違いに注目。後輪が早めに向きを変えていれば、それだけ楽に鋭く加速できる。


ウチの店ならではの遊びを提案したい

 オンロードとオフロードの両方を楽しんだ今回の「今日バイ」。ただし僕としては、仲間たちのオフロードライディングのレベルが高くて、ちょっと物足りず? もっと笑いたかったのに……。 ま、石川博樹店長が元全日本モトクロスライダーってことですから、オフ好きが集まるのも当然でしょうか。

難波 全日本とは、やりますね!
石川 いえいえ、そんな大したことはなかったんですよ(笑)。でも、レースを通じてできた仲間たちは、今も僕の財産です。
難波 それはロードレースをしていた僕にも分かるなあ。仲間って大切だよね……。ところで、オフロードスクールもやってるそうですね。
石川 他のショップと合同なんですけど、30人ぐらい集まるんです。この間は、レース仲間つながりで成田 亮選手が来てくれたんですよ。
難波 そりゃすごい! オフ遊びの普及に、かなり積極的に取り組んでるってことですね。
石川 もちろんオフだけじゃなくて、オンロードにも一生懸命ですよ(笑)。でも、バイク遊びのひとつとして、オフの楽しさも知ってもらいたい。それにオフで学んだことって、オンで役立つことばかりですから。
難波 それはてんてんゴーでの店長の様子でバッチリ分かった。かなり個人的に楽しんでたよね(笑)。
石川 カテゴリーにかかわらず、とにかく遊んでもらいたいんですよ。「YSP刈谷に行くと、何か面白いことがある」と思ってもらえるようなショップをめざしてるんです。他のショップにはない、ウチならではの遊びを提供していきますよ!


取材協力ショップ
YSP刈谷

愛知県刈谷市一ツ木町朝暮50の1 TEL:0566-23-3547
営業時間/9:00〜20:00 定休日/毎週木曜日

http://www.ysp-kariya.net/
「昨年5月にリニューアルオープンし、サービスファクトリーの間口を大幅に広げました。でも、技術を高める努力は当たり前。さらに楽しんでいただけるよう、他のショップにはないオリジナリティあるソフトを提供し、三河地域で一番のショップをめざします!」(石川店長)

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