|
抜群の笑顔で、相手の心をとろけさせる。本人は何も意識していない、子供のような無邪気な笑いだ。森正己社長を中心に、今日もYSP長岡は屈託のない笑顔でいっぱいだ。
「体全部を使ってライディングするでしょう。バイクは、『自分で運転してる』って感覚が、ごっつある。面白いし、好きやで」と森社長は言う。自分が心から好きなものを商売にしている人ならではの幸福感が、笑顔の源になっているのだ。
「な? ええ笑顔やろ。これが持ち味なんや。お客さま相手の商売やから、人に好かれんことにはどうにもならん。一度でも来てもろたお客さまを大事にせんとな」
何よりもバイクが、そしてライダーが好きだと言う森社長。かつての「よき時代」を懐かしく思う。
「昔は気さくに話しておればよかったけどな。バイクを真ん中にして、店員もお客さまも関係なく、ただのバイク好き同士として、もっともっと盛り上がったもんや。店にも『邪魔や!』っていうぐらい仰山お客さまがおってな。学校も行かんと店に入り浸って、しまいにはウチのスタッフになったのもおる。どこもかしこも、そんなんばっかやった」
時代は変わる。あの頃と同じでいるわけにはいかない。
「今はあまり親しくしすぎてもあかん。微妙な距離感ちゅうもんがあるんや」と、少し寂しげな表情を見せる。
「でもな、お客さまのことを一番に考えることは変わらん。それに、バイクでお客さまが楽しむ姿も変わらん。いつかまた、ああいう時代が来るんとちゃうかなあ」。いつか訪れるその日のために、森社長は笑顔を絶やさない。
|