vol.48 YSP友泉の仲間たちと


悠久の時が織りなす素晴らしい景色、
底抜けに楽しい仲間たち、見上げれば青い空と白い雲。
北九州を駆けたワンデーツーリングは、
そのすべてに恵まれた奇跡の旅だった。

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交通安全を祈念して「道の神様」を参拝

 ライダーなら誰しもそうだと確信するのだが、「今日もバイクで」取材陣も「日本最大」とか「日本最小」とか、そういう「日本一」系にからきし弱い。YSP友泉にお邪魔することが決定した時、高島カメラマンは叫んだ。
「日本最古の神社に行こう!」
 彼曰く、それは宗像大社(福岡県宗像市田島2331)であり、今回のツーリングルートに大社参拝がガッツリと組み込まれた。カメラマンとしては「絵作りに困った時の神社仏閣頼み」というメリットもあるようだが、それはナイショである。
 九州自動車道若宮ICから20分、宗像大社はしっとりとした空気に満ちていた。が、高島カメラマンは「えっと」「あれぇ?」などと1人落ち着きがない。どうも宗像大社が日本最古の神社であることに自信がなくなったらしい。その後の調査で、日本最古とされる神社はいくつか存在していることが分かったが、宗像大社が該当するという記述はついに発見できなかった。
 その一方、宗像大社は「道の神様」「交通安全の守護神」として知られ、新車購入を期に参拝する人が多い。ガセネタが出発点とはいえ結果的にツーリング先としては満点で、交通安全を祈念したYSP友泉の仲間たちと難波恭司さん、および写真をものにしたカメラマン、ならびに17文字×35行分のネタを獲得したライターの全員が笑顔になれたのは、宗像大社に縁のある天照大神のご利益と言えよう。

 

大平原を吹き渡る風は、果てしなく透明だった

 ヤマハのテストライダーとしてレーシングマシンの開発に携わっていた難波恭司さん。常にふざけてばかりいるため、そのスゴさは非常に気付きにくいのだが、ふとした時に「テストライダー魂」が顔を覗かせる。例えば、疑問点を徹底追及する姿勢である。
 YSP友泉の仲間たちと、日本有数のカルスト台地・平尾台を訪れ、爽やかな風が吹き渡る広大な光景を前にした難波さんは「この地形は侵食でできたの? それとも隆起なの?」という疑問に取り憑かれた。
「平尾台に来るのって、小学生の時の遠足以来だなあ」「お弁当を食べる場所ってイメージだよね」「藤のバスケットかなんかでさ」「久しぶりに来てみると、結構いい場所だね」「あ、あの登山道歩いたことあるなあ」
 地元YSP友泉の仲間たちが思い出と感慨にふける中、難波さんは「ねぇねぇ、この地形って侵食なの? 隆起なの?」と疑問解明にこだわり続ける。だが現場に詳細を記載した案内板はなく、あまりに美しくて現実味がないほどの光景が広がるばかりである。
「ブレーキがロックしそうでいつも不安なんです。どうしたらいいですか?」という谷畑真佐子さんの悩みに、「ブレーキはスピードを落とすためのものじゃない。タイヤの回転数を落とすためのものなんです。そう考えて、常にタイヤのグリップを意識しながらブレーキをかけるといいですよ。タイヤのグリップを引き出すためには、かけ始めにいきなり強く握っちゃダメ。そうじゃなくて、始めはじわっとかける。フロントに荷重がかかって、前輪のグリップが増していくのを感じながら、それに合わせて握り増して行くようなイメージかな」とキッチリ答えながらも、「そんなことよりさ、ココは侵食なの? 隆起なの?」と気もそぞろな難波さんなのだった。


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Map&GUIDE
侵食か、隆起か それが問題…か?

平尾台は日本有数のカルスト台地。草原に白い石灰岩が点在する一帯は、その名も「羊群原(ようぐんばる)」と呼ばれている。
 ところでこの地形は侵食によるものか、隆起によるものかという難波さんの疑問に対する答えであるが、正解は両方。大ざっぱに言えば、大昔に隆起した石灰岩の地層が、雨によって浸食されてカルスト台地になったそうだ。どれだけの時が流れたのか想像しただけでも気が遠くなる…。

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Person in the
YSP
バイクを中心に「人の和」を築きたい
YSP友泉
引地 猛
店長


 引地猛店長がバイクの免許を取るために教習所に通ったのは、3ナイ運動が厳しかった時代だ。高校の担任に発覚したが、黙認してもらえた。
 教習所通いを始めて1週間ほどして、今度は小学生時代の恩師の上司が、「バイク欲しいやろ」と、倉庫に保管していた10年もののヤマハRD250を譲ってくれた。空冷2ストツインエンジンを搭載した、'70年代の名車だ。
 免許を取得した引地さんは、自分でレストアしたRDで走り回っていたが、ある時、立ちゴケをしてウインカーを折ってしまった。しかし旧車の部品は入手困難だ。やむなくそのままの状態だった。
 ある日、ウインカーが折れたRDを自宅前で洗車をしていると、RDマニアだという人に声をかけられる。「ウインカーなら余ってるから、今度あげるよ」と言ってくれた。
 翌日、「もしかしたらウインカーを持ってきてくれるかもしれない」と早めに学校から帰ると、玄関にすでにウインカーが置いてあった。それきり、その人と会うことはなかった。
「でも、この出来事がズブズブとバイクの世界に入るきっかけになったんでしょうね」と引地店長は言う。
 系列店、YSP大濠の副店長を経て、YSP友泉の店長になった。
「スタッフとは、より親密な関係を結べればと思っています。上下関係ではなく、横のつながりの中で和を築ければいいな、と考えているんです。…そういえば、この思いはお客さまに対するものと同じですね」
 バイクはコミュニケーションツールだ、と引地店長。バイクを介して多くの人たちと知り合い、支えてもらったという思いが、店長職になった今も心の中に息づいている。


取材協力ショップ
YSP友泉

福岡県福岡市城南区長尾2の7の12 TEL:092-521-3330
営業時間/10:00〜19:00 定休日/毎週水曜日

「正直・誠実をモットーに信頼関係を築き、長くお付き合いできる地域密着型のサービスをご提供します。豊富なラインナップを用意したレンタルバイクも好評です。ぜひご利用ください」(引地店長)

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