第14回「富士の湖畔とワインディングを走る」
◎相模原市より富士五湖方面へ◎

 今回は相模原市のYSP相模原中央を起点に、富士五湖周辺の風道(ツーリング・ルート)を訪ねる。雄大な富士の裾野に広がる河口湖をはじめとする数々の湖の風景。渡ってみた湖の上を横断する大橋。太古の面影を残し鬱蒼と佇む青木ヶ原の樹海。その中を抜けていく道。そして御坂山山麓の心地よいワインディング。曇りがちのあいにくの天候だったが、景色と道の変化がライダー達を酔わせる、正しく”楽しめる”ツーリングとなった。

美しい湖の景色を巡り、御坂山への峠道に遊ぶ。

 相模湖ICから中央自動車道に乗り河口湖方面を目指す。大月で二手に分かれる中央道を左折。平日とあって行き交う車もほとんどない。真っ直ぐ前方へと延びていく道路を睨む。道は単調。トルクフルなXJR1200のエンジンの鼓動が、心地よく響く。一人だったら眠くなってしまいそうだ。実は富士の麓を走るのは今回が初めて。山麓の雄大な眺めを期待していたのだが、厚ぼったい雲に阻まれ肝心の富士山がどこにあるのか分からない。それでも、それなりに美しい湖畔の走りを楽しみ、河口湖から西湖へ。ちょっと一服と湖畔に降り立ったが、その透明度の高さに驚く。しかも逆光に輝く水面が何とも神秘的な雰囲気。とくに観光スポットというわけでもないのだが、何かしら立ち去り難く、しばし景色に見入る。気ままなツーリングならではの心地よいひととき。
 西湖を過ぎると、いよいよ道は樹海の中へと吸い込まれていく。話に聞いた青木ヶ原で、なるほど鬱蒼として人を寄せつけない雰囲気がある。何気なく道端の表示を見ると”上九一色村”とある。本来その読み方さえも怪しい馴染みのない土地だったが、今ではすっかり有名。メンバーたちもうなずきあっている。

さて、そこからさらに西に進んで本栖湖に至り、五湖を巡るというプランもあったのだが、時間の都合でこれは断念。結局、”河口湖大橋を渡ってみなくては”というメンバーの一言で今度は湖畔を外れ、原生林の中の道を引き返すことにした。
そして河口湖大橋。この橋がなかなか良かった。中央部に向かってせり上がっていくアーチ型の橋なので、渡り始めると段々視界が広がってくる。マシンを走らせながら橋の高みから見渡す湖畔の景色は格別。冷たい風もむしろ心地いい。これなら通行料150円を払う価値は十分にある。
 橋を渡り終え、そのまま直進すれば、道は御坂峠のワインディングへと至る。現在、河口湖から御坂山を越えて大月方面に抜けようとすれば、新設された御坂トンネルを利用することになる。便利にはなっているのだが、走って楽しいのは旧道のほう。山越えの難所だからこそ、素敵に曲がりくねった峠の道を楽しむことができるのだ。その峠道だが、せいぜい5Kmほどの道程。ただし交通量はほとんどなく、ただ一度車とすれ違ったのみ。ときおり一車線となるタイトなワインディングを十分に堪能することができた。やがて道は山頂の天下茶屋へ。旧御坂トンネルの入り口にある、この古いお茶屋の前でこの道は行き止まりとなる。とりあえず茶屋で一服。
 ここは有名な絶景ポイントなのだが、下方に河口湖を望みつつもあいかわらず富士は見当たらない。”見えてきた”というメンバーの言葉にもう一度見渡す。ふと上を向いて、アッと息をのんでしまった。見上げる遥かな高みの雲間から富士の山頂がひょっこり顔を出しているではないか。予想以上の高さのせいで今まで見落としていたのだ。今回初めての富士との邂逅。ちょっと出来過ぎの印象もあるが最後を見事に富士で飾って帰途へと着いた。夕暮れを迎えたこの季節。さすがに風は冷たさを増しているが、不思議と走りたい気持ちが萎えることはない。冬のツーリングは、まだ始まったばかりだ。
YSP相模原中央→国道20号線・相模湖IC→中央自動車道・河口湖IC→河口湖→西湖→青木ヶ原→富岳風穴→国道139号線→河口湖大橋→国道137号線→御坂峠→天下茶屋→137号線→河口湖IC→中央自動車道→相模湖IC→YSP相模原中央

総距離約240km

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YSP相模原中央
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