第29回 「南房総の海岸線を走る」

千葉市より勝浦方面へ

今回は風温む南房総の海岸線に風道(かざみち=ツーリングルート)を追う。まずは千葉市から南下、田園地帯を貫く快適な道にマシンを走らせる。そして勝浦からは海岸線へ。特に九十九里浜道路は平忠彦自身以前より“走りたかった”道。天候にも恵まれ、期待に違わぬ砂浜のスケールに圧倒されつつも、満足のシーサイドクルージングとなった。


遥かなる砂浜、潮風の道。九十九里を走る

 今回は千葉市のYSP貝塚からのスタート。浜松の自宅よりマシンを乗り出す。関西圏なら新幹線を使うより走ったほうがむしろ楽。前日に千葉入りをしたしたのだが、ついでに以前ツーリングでお世話になった足立区のショップに顔を出す。このフットワークの軽さがバイクのいいところ。
 さてツーリングルートだが“九十九里だな”というメンバーの一言ですぐに決定。九十九里浜は、以前より走ってみたいと思っていたところ。未知の旅もいいものだが、目的があるとやはり幾分なりとも心が躍る。こればかりは歳とは関係ない。
 まずはV-MAXを駆ってショップをスタート。今回はタンデム走行だが、有り余る低速トルクのおかげで渋滞も苦にならない。ポジションも楽でスピードを出しても快適。ツーリングを考えても、かなり優勝なマシンだ。
 その千葉の街だが思っていたよりはるかに“都会”。ビルが立ち並び、縦横に高速道路が張りめぐらされる。都心からのアクセスも極めて良好で、アクアラインも開通したことだし“これからは千葉だな”などと、いまさらながらに思いつつ、国道297号線をひたすら南下。太平洋を目指す。
 この勝浦までの道はメンバーお勧めのコースで、整備の行き届いた広い道路は確かに快適。交通量も少なく左右に広がる田園風景に独特の雰囲気がある。区画ごとを曲線で仕切られた、いわばオーガニックな田畑の風景が、実にゆったりとした風情を醸す。この土地ならではの心地よい一本道だ。
 やがて道は港町勝浦へと至る。取り急ぎ、知られた勝浦朝市へと向かう。魚ばかりが所狭しと並ぶかと思い気や、山菜や茸、はては雑貨の店までが軒を並べる。どの店も閉店間際とあって、とにかく売り込みに余念がない。行く先々で“買わなくてもいいから”と試食を勧められる。どこでも、この朝市の喧騒は心地よい。エネルギッシュに市を購う人々に、見ているだけで力づけられる気がする。
 市を後に、今回の目的、九十九里浜道路へと向かう。“月の砂漠”のモデル地として有名な御宿の浜をパスし、一宮海岸あたりでビーチラインへと入る。5Kmほどを走ると有料道路(タンデムOK)の入り口が見えてきた。九十九里浜道路へと乗り入れる。
 さすがにこの浜の景色はスケールが違う。60Kmも続くという砂浜が、緩やかに孤を描きながら、文字通りどこまでも続く。付近に遮蔽物らしきものがないだけに、遥か彼方まで見通しが効き、単調で膨大な松林と浜と海の景色が力強く迫ってくる。多少の飛砂と潮風がマシンにいいかは別として、天候に恵まれたおかげで海からの風も清清しい。
 有料道路の終点、片貝海岸でマシンを停め、夏は海水浴客で賑わうだろう砂浜へと下りていく。まだ4月の、それも平日だというのに海の家が営業していた。九十九里の浜で採れたという蛤を焼いてもらう。浜で浜の蛤を食べるという“正しい”選択に満足しつつ、まだまだ遠方へと続いていく砂浜の景色を見やった。

 

今回のツーリングコース

 

 

参加ライダー

協力ショップ
YSP貝塚

 

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