降りやまぬ雨の道。秋の道。古都の風情を巡る
北東に向かえば京都、南東に向かえば奈良。便利なポジションの大阪府の東、
YSP枚方をスタート。今回は一端南下に下り、奈良方面を目指した。天候はあいにくの雨。
歴史の街にはむしろ似つかわしく、木津川沿いの道では、美しい川の景色に水面の霧。走りこそ楽しめなかったが、
古都を巡るにふさわしい“風情”を楽しむ旅となった。
それにしても大阪の道は相変わらず混む。しかも朝の渋滞。路肩をすり抜けたが、クルマの間から横っ飛びのスクーター。視界
を覆う水しぶき。通勤バトルに“参戦”といったところだ。
奈良市内をひとまずは通過し、若草山を跨ぐ奥山ドライブウェイにマシンを乗り入れる。寺社が立ち並ぶことの風情を眼下に、
雨に濡れ落ち葉の張りつくタイトなワインディングを、そろりと上っていく。
道際の木立や野原にシカが顔を出す。なるほど奈良。人慣れしたシカと目を合わせつつ、道はやがてダートへ。このドライブウ
ェイは約4km程が未舗装。杉の高木が鬱蒼と繁る狭間の道だから、むしろ似つかわしく、マシンはXJR1300。走行条件が悪くなる
ほど、その安定性が際立つマシンだから、フラットダート程度は問題ない。セパハンはちょっとしんどそうだ。
しばらく走って後続を待つ。女性ライダーが遅れているから、少し心配なのだ。1台、2台と到着するメンバー達。聞けば案の
定、転んだよう。たどり着いた彼女のマシンは左のステップが欠けていた。ともかくケガが無くて何より。聞けば、前を行くダンナに、
ぶつかるまいとしての転倒。しかも“これダンナのバイクなんです。”そういえばカップル共にマシンを駆っての参加は初めて。しかも
まだ1か月目の新婚だとか。なるほど、勝手に転んでもらうしかない。
さてひと悶着あった山を下り、奈良市内は東大寺へ。これは約15年ほど前に訪れた時と変わっていない。大仏もそのまま。まあ
1200年も前からあるのだから当たり前だが、以前より強く感じたのはこの大建造物の威容。これだけのものが千年も昔に建造された
というのだから、ここは率直に驚きをもって迎えたい。シカと修学旅行の学生の多さにも改めて驚いたが。
さて帰りは川辺の景色が美しいという木津川沿いの道を走ってみる。しばらく行くと最近はめっきり見なくなった沈下橋がひと
つ、またひとつ。これは是非とも渡ってみる。欄干が無い分文字通り“一本橋”の雰囲気。川面がすぐ近くに見える。結構楽しめた。
しかも国道へと入るUターン時にまた一人が転倒。バイクは借り物の新車。“体でカバーした”ということで、これまた無傷で
何より。
今回は開けられる快適な道は無かったが、しっとりとした古都の風情に川の景色。そして、笑みのこぼれるエピソード。こうい
う旅は意外に心に残るものなのだ。 |