第5回「箱根のワインディングを走る」
◎東京都葛飾区より箱根方面へ◎

 

  混雑の首都高を抜け箱根のワインディングを目指す

天気予報は曇りのち”晴れ”。見上げる空は、降りだしそうな晴れてくれそうな・・・。

いくら睨んだところで、東京の空はあくまでも頼り無くはっきりしない。急ぐ旅でもない。せっかくだから下町の風情を味わおうと、ショップ近くの柴又帝釈天へと寄り道することにする。”なるほど”。帝釈天へと続く町並みは、かつてTVや映画で見た印象と寸分違わない。トランクを抱えた”寅さん”の雪駄の音が聞こえてきそうだ。

ただし、そこら中が渥美清のポスターだらけなのはいただけない。そこまでしなくとも、この下町情緒は十分に魅力的なのに。と思いつつもやはりその誘惑には抗しがたく、一観光客となって軒を連ねる”だんご屋”の一軒に入ってみる。

柴又名物”草だんご”の味も悪くないのだが、魅力はやっぱり”おばちゃんたち”。いかにも”ライダー”という格好でドカドカ入っていくと、たいていの店ではいい顔をしてくれない。ところがこの下町の人々というのは、客あしらいがうまいというか、とても”フレンドリー”。”お茶ちょうだいよ”などと気軽に言える雰囲気がある。大げさだが、思わぬところで”下町”の人情に触れた気がした。あんまりなごんだせいか、帰りにヘルメットを置き忘れたまま席を立つ。

相変わらず渋面を崩さない無愛想な空は気にかけないことにして、いよいよ箱根へと向かう。まず首都高へ。噂には聞いていたが”混んでいる”。前にトラック、横に大型バス。逃げ道のない走りに嫌でも緊張感が高まる。あろうことか、バスが寄ってくるではないか。考えるより一瞬早くTRX850のスロットルをひねりバスの前へと回り込む。まるで何事もなかったように走り続ける車の流れの中で1人鼓動の高まりを感じる。それにしてもV-MAXの彼はうまい。わずかに開いた車の間を縫うように走る。開けばプレスライダーとのこと。1200Rの彼は確かバイク便のライダーだった。OW01も参加している。今回のメンバーは少し”手ごわい”
  あいにくの雨”これもツーリング”

箱根ターンパイクの入り口に到着。絶景の大観山へと向かう道で、富士のすそ野に芦ノ湖の佇む風景は”これぞ日本”といった面持。その”絵はがき”然とした俗っぽさは、逆にここまで押しが強いとけれんみのない清々しさを感じるほど。実は気に入っている。

もちろん、その高速ワインディングも大きな魅力。”比較的速度の上げられるコーナー”の連続は、まさにツーリングの醍醐味を味わえ、伊豆スカイラインとともに走りを楽しめる道。

”雨さえ降っていなければ”。残念なことに大方の予想を裏切り雨が降りだした。カッパを着込んでみたものの霧まで出てくる始末。止むを得ず今回は大観山を諦め、ターンパイクを引き返す。

それにしてもメンバーの表情が明るいのには救われた。天気の様子を見ようと木陰に雨宿りをしたのだが、思わず話しが弾んでしまった。記念写真を撮ったり握手をしたり。レースでもそうなのだが、辛い状況を共有した人々というのは、より親しみが増していくようだ。

湯本へと戻り、そば屋で名物の”そばすいとん”をいただく。冷えた体を温めてくれるありがたさもさることながら、実に”旨い”。箱根に来て初めて自然に頬が緩んだ気がした。これはお勧め。
小雨の中、彫刻の森、仙石原といった観光スポットを巡りながら東名の御殿場ICと向かう。決して走りを堪能できたわけではないが、”これもツーリング”。不思議と”いい思い出”になりそうな気がする。メンバーに引っ張られて体験させてもらった”苦笑い”の高速走行とともに・・・・。
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