第6回「磐梯山より猪苗代の湖畔を走る」
◎福島県郡山市より磐梯山方面へ◎

 

磐梯山の山麓に遊び湖畔の風を追う

今回は私の郷里でもある福島県を旅する。もっともルートに選んだ猪苗代湖方面は出発地点の郡山から見れば内陸部、つまり西の方向。我が故郷原町市は太平洋側だから、方角的には逆。”平の生家を起点に”などという悪い冗談?も出ていたのでひとまず安心。

東北自動車道から磐越自動車道へと入り、猪苗代湖を目指す。ツーリングではアクセスを短縮するために高速道路を使うことも多い。速度を楽しむという以外さして面白いことの少ない道だが、今回は少し趣が違っていた。

山間の高速道路を約30Kmほど走り、そろそろ目的地という所でトンネルに入る。暗がりの向こうに一条の光が見えはじめ、徐々に大きくなる。いつものトンネルの風景。

それからが今回の白眉たる部分。暗がりを抜け出した我々の視界一杯に、薄い雪化粧の磐梯山が突然その姿を現した。

頂より滑らかなカーブを描く稜線が猪苗代湖へと吸い込まれていく。巨大なすり鉢の底に水を溜めたような、端正にして雄大な風景。今回のツーリングで最も感動的な出合いだった。

高速を降り、まずはその磐梯山へと向かう。山麓の天鏡台あたりはすでに牧草が生い茂り、緩やかに広がる山肌を緑に染めている。TRX850を止め、草原とその向こうに悠々と横たわる猪苗代湖の景色を楽しむ。風が心地いい。山を下り、湖畔の49号線をしばらく走った後、より湖に近い道に入り込むために国道を逸れる。途中”モビレージ”というオートキャンプ場にて一服。この入り江のキャンプ場は実にきれい。草木などの自然を生かしながら程よく整備がされている。家族連れで利用するには持ってこいのロケーションだ。

さて湖畔の道。一車線だが対向車もなく伸び伸びと走れる。バブルを境に猪苗代湖周辺は一大リゾート地に様変わりしてしまったが、この辺りまで来るとさすがに手つかずの自然が残っている。かつて子供時代に家族と訪れ、思い出に残る素朴な風景とイメージが重なる。水の透明度も高くまさしく”磐梯を映す水鏡”。

湖畔の周囲には田園地帯が広がる。面白いのは田んぼのあちこちにちょこんと置かれたクルーザー。何となく微笑ましい光景だ。その田園地帯を抜けいよいよ喜多方へと向かう。途中、ヘアピンの続くやや手ごわい黒森峠に850を踊らせる。V-MAXもステップを擦りながら果敢についてきた。

名物”喜多方ラーメン”を食した後、再び湖畔へと戻り帰途につく。もはや冷たい風に身を震わせることもない。いよいよ本格的なツーリングシーズンの到来だ。

”夏が来る”。

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