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第61回 雨の篠山、デカンショ街道を辿り丹波の山里を巡る
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深まる秋のなか、目的地の篠山までは静かな山村の風景が続いたが、風情ある小道に遭遇。枯れた景色と鮮やかな柿の赤とのコントラストを楽しんだ。また小京都たる篠山では、その風情も懐かしく江戸情緒に思いを馳せる。そろそろ風の冷たさが気になる中ではあるが、小雨の丹波路に風道(かざみち=ツーリング・ルート)を追う、秋の名残を惜しむ旅となった。
古の香り漂う丹波の道に、色加える柿の赤 小雨まじりの、おぼつかない天気で、見渡す景色も霞んでいる。その霞みの中に、多紀連山の麓をなす山並みが幾重にも重なり、 薄日を受けて、そのシルエットを浮かび上がらせる。ちょっとした幻想的な風景で山々に囲まれ、盆地をなすという篠山の、その古都と称される風情を思いやる。 目的地近くまでは、のどかな山村の風景が続き、山の入り口に“茸山” という手書きの表示。見れば、松茸直売の看板を掲げる簡易な販売所の数々。なるほどこの丹波の辺りは松茸の産地で、しかも今まさに収穫のとき。むやみな山入りを規制する表示らしい。 やがて田圃をつらぬく、どこか風情のある一本道を見つける。お決まりなのだが、こういう道にはとにかく入ってみる。もちろんルートではないのだが、つまりその風情を味わいたいのだ。 その意味では、またこの道も対抗車線を跨いでまで入ってみる価値のある道であった。茶色の下土を見せる田圃の色合いと、枯れ枝を震わせ、こんもりと寂しく佇む小山。今では農具置き場だろうか、廃屋の屋根を掠めて飛び交うカラスたち。 どう見ても、収穫を終え冬を待つ農村の風景そのものだ。そうなのだが、その侘びしい道のほとりに地蔵を納めた小さな祠が見える。すぐ横には、あたかも祠に寄り添うように細枝を伸ばす、人丈ほどの小ぶりな柿ノ木。 そしてこの落莫たる風景に、鮮やかな点景を加える、見事に熟した数個の柿の実の赤。あたかも秋の名残を集約させたかのごとき風景である。この風情を味わうことこそ旅の楽しみ方だと、密かにメンバーたちにも自慢したい気分なのである。 この小道を離れ、目的の篠山市内へと入る。店先に猪の剥製を飾る飲食店が目に付く。山里らしく、ボタンが名物なのだ。さら町の中心に近づくにつれ江戸の情緒を偲ぶ、かつての商家軒並みが見え始める。なるほど小京都と呼ばれる城下町の風情である。 名物の黒豆などいただきながら、昼食を済ませ、幾つか土地の名所を巡ってみる。 あいにく、降り続く小雨は止みそうにない。帰途につく前に喫茶店で休憩でもとの話もでたが、カッパを脱ぐのも煩わしい。
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● 今回のツーリングコース
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