YSP
風道浪漫


第97回 沼津市より本栖湖方面へ

名残の紅葉輝く 富士の裾野の
雄大な快適ロードを走る

 

 風も冷たさを増す冬の頃。雄大な景色を楽しもうと、富士の裾野に風道(かざみち=ツーリング・ルート)を追う。ただし当日は生憎の天候。富士に厚い雲が覆いかぶさる。
結局、富士の姿は楽しめなかったが、名残の紅葉と快適な道が一行を迎える。後半雨に祟られながらも、寒中に暖を楽しむ師走の旅となった。

寒中に暖の嬉しい一服を楽しむ

 怪しげな雲行きである。暗い師走の空の下、“雨のち雷”の天気予報が外れることを期待しつつ、沼津のショップをスタートする。

 程なくして東名高速へと入ったが、本来ならば雄大な霊峰富士を中心とする風景が、圧倒的なスケールで展開されるはずなのである。

 ところが、あるべき富士の付近は厚い灰色の雲が垂れ込め、山の威容は見るべくもない。あたrには冬枯れの景色に佇み町並みと、茶畑の緑が広がるのみ。秋の名残の紅葉が、景色に僅かのアクセントを加えてはいるのだが…。

 富士の裾野を駆け巡る、という当初の目的を果たせずにいたのだが、あろうことかシールドにポツリポツリと雨粒が当たり始めた。僅かに落ちてきたかと思えば、すぐに降り止んでしまう微妙な天候の中、富士インターより西富士道路へと入っていく。富士を見失った相変わらずの天候で、本降りというわけでもないから、カッパを着るタイミングが掴めない。ただ、この富士の麓を走る二車線の有料道路は、当初の景色はともかく走りやすい快適な道である。

 その道を、そこそこのペースで流していく。快調なXJR1300のエンジン音を聞いていたせいか、心なしか風が温んできたような気がする。空こそ暗かったものの出発時の気温は15度ほど。この季節にしては暖かい日ではあったのだ。

 僅かに見える富士の裾野を眺めていると、やがて白糸の滝に到着。

 滝からの帰り、途中の茶屋に立ち寄り、ホットミルクを頂く。冷えた両手に押し頂いたカップの温もりすらありがたく、立ち上る湯気が心地よい。

 ひと心地ついたと思う間もなく、次の目的地である田貫湖へと向かう。本降りにならないうちにと思ってしまうから、皆気が急いているのだ。かすかに木漏れ日の舞う針葉樹の森を抜け、釣り人が長閑に糸を垂れる田貫湖へと到着。観光のウリである“逆さ富士”は見えない。

 早々に景色を諦め、広大な牧草地を貫く開拓道路を走る。たどり着いた食事処にて名物のほうとうを頂く。寒中のツーリングにあって、器より立ち上る湯気だけがひたすらに有り難いのであった。

 
   

● 今回のツーリングコース

北海道の道を思わせる「開拓道路」

まずは、沼津ICより東名高速へ。本来、富士山の雄大な景色を楽しめる道なのだが、この日は悪天候にて富士は見えず。次いで富士ICで高速を下り、西富士道路へ。道は走りやすく快適だが、ここでも富士は山裾が見えるのみ。その後、白糸の滝を経て田貫湖へ。田貫湖からは北海道を思わせる牧草地帯の道「富士宮鳴沢線(通称、開拓道路)」を走った。本栖湖と身延山を結ぶ「本栖みち」は険しい峠道だったが遅い紅葉を楽しめた。

 

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