YSP
風道浪漫


第98回 東京都より館山方面へ

東京湾を渡り 南房総の
花咲く道を走る

 
 寒風ふきすさぶ季節。少しでも暖かい土地を走ろうと南房総の海岸線に風道(かざみち=ツーリング・ルート)を追う。木更津より入り込んだ内房の道は相変わらずの渋滞で、休日の混雑がさらに行く手を阻む。そして抜け出た南房総のフラワーライン。花咲く海岸線の道に、一足早い春を感じる旅となった。

 花溢れ風ぬるむ道を走る

 雨の心配はないというのだが厚い雲が空を覆っている。しかも風が強い。

 木更津のファミリーレストランで待ち合わせたのだが、メンバーたちはアクアラインを越えてくる。潮追いの風が、海上でさらに強さを増さないことを願いながら、一行の到着を待つ。

 やがて一行が到着。

 薄着のメンバーの忍耐強さを話の種に、しばし談笑の後、房総半島の先端を目指し国道127号線へと乗り入れていく。

 しかし、千葉の道というか、この内房の道はいつも混んでいる。狭い車線を目いっぱいに使い、前方を覆い隠すダンプの多さは相変わらずだが、今日は日曜日とあって、普段にもまして観光の車が多い。

 市街地に入るたびに渋滞に巻き込まれ、立ち往生を余儀なくされる。やむなく周りを見渡すと、山側には畑仕事のお婆さん、海辺には打ち上げられた昆布を拾うご老人。

 今日が休日であったことを思い出し、勤勉な房総の人々に頭の下がる思いである。

 渋滞くらい何であろうか。イライラしかけた暗い気分が、ようやく明るくなってきた。

 気づいてみれば、空を覆っていた厚い雲の切れ間から、明るい光が差し始めている。やっと房総の海岸線を走るのに、ふさわしい天候になってきた。

 鋸山を過ぎ、海の青がいっそう輝き始めると、ようやく道もすいてきた。もっとも休日の観光地だから、普通に走れる程度なのだが、それでも渋滞に比べれば随分ありがたい。

 もしかしたら、この南房総の開放感は、黒潮のもたらす温暖な気候のせいばかりではなく、内房の狭い道を抜けることと関係があるのかもしれない。

 などと、つまらぬことを考えると、ようやくフラワーライン。道の両脇を黄色い菜の花が埋め尽くしている。

 こと“何々ライン”などと称されると、単に名前を付けただけという殺風景な道も少なくないが、この道は実は爽やか。冬真っ只中にあって、一足早く春の息吹を感じさせてくれる気持ちのいい道だ。

 海を見やれば、波を待ちプカリプカリと見え隠れするサーファーたち。何だか季節の感覚が狂ってくるような…。

 

 
   

● 今回のツーリングコース

冬の季節に花咲くフラワーライン
まずは都内を抜け東京湾アクアリンを使って房総半島へ。木更津南で館山自動車道を降りてから東京湾観音、ついて127号線(富津館山道路)を南下したが2車線の道は休日とあって市街地周辺はかなりの混雑を見せる。ただし館山が近くなると道も空き始め、海岸線よりの眺望を楽しむ快適なクルーズができた。また目的のフラワーラインはちょうど菜の花の季節とあって道の両脇に黄色い花の溢れる美しい景色を堪能できた。


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