寒風ふきすさぶ季節。少しでも暖かい土地を走ろうと南房総の海岸線に風道(かざみち=ツーリング・ルート)を追う。木更津より入り込んだ内房の道は相変わらずの渋滞で、休日の混雑がさらに行く手を阻む。そして抜け出た南房総のフラワーライン。花咲く海岸線の道に、一足早い春を感じる旅となった。
花溢れ風ぬるむ道を走る
雨の心配はないというのだが厚い雲が空を覆っている。しかも風が強い。
木更津のファミリーレストランで待ち合わせたのだが、メンバーたちはアクアラインを越えてくる。潮追いの風が、海上でさらに強さを増さないことを願いながら、一行の到着を待つ。
やがて一行が到着。
薄着のメンバーの忍耐強さを話の種に、しばし談笑の後、房総半島の先端を目指し国道127号線へと乗り入れていく。
しかし、千葉の道というか、この内房の道はいつも混んでいる。狭い車線を目いっぱいに使い、前方を覆い隠すダンプの多さは相変わらずだが、今日は日曜日とあって、普段にもまして観光の車が多い。
市街地に入るたびに渋滞に巻き込まれ、立ち往生を余儀なくされる。やむなく周りを見渡すと、山側には畑仕事のお婆さん、海辺には打ち上げられた昆布を拾うご老人。
今日が休日であったことを思い出し、勤勉な房総の人々に頭の下がる思いである。
渋滞くらい何であろうか。イライラしかけた暗い気分が、ようやく明るくなってきた。
気づいてみれば、空を覆っていた厚い雲の切れ間から、明るい光が差し始めている。やっと房総の海岸線を走るのに、ふさわしい天候になってきた。
鋸山を過ぎ、海の青がいっそう輝き始めると、ようやく道もすいてきた。もっとも休日の観光地だから、普通に走れる程度なのだが、それでも渋滞に比べれば随分ありがたい。
もしかしたら、この南房総の開放感は、黒潮のもたらす温暖な気候のせいばかりではなく、内房の狭い道を抜けることと関係があるのかもしれない。
などと、つまらぬことを考えると、ようやくフラワーライン。道の両脇を黄色い菜の花が埋め尽くしている。
こと“何々ライン”などと称されると、単に名前を付けただけという殺風景な道も少なくないが、この道は実は爽やか。冬真っ只中にあって、一足早く春の息吹を感じさせてくれる気持ちのいい道だ。
海を見やれば、波を待ちプカリプカリと見え隠れするサーファーたち。何だか季節の感覚が狂ってくるような…。